麻の素(麻ナッツ塩麹)とは?
麻の実から生まれた、料理の土台を整える発酵ベース
「麻の素」は、麻の実ナッツと麹の力を活かしてつくる、ASANOMI LIFEの新しい発酵調味ベースです。
一見すると、塩こうじの仲間のようにも見えます。
けれど、私たちが目指しているのは、単に「塩味をつける調味料」でも、「旨味を足す調味料」でもありません。
麻の実がもつ自然なコク、まろやかさ、油脂の質感。
麹がもつ発酵由来の甘み、分解力、素材をやわらかく整える働き。
そこに塩を合わせることで、肉・魚・卵・野菜・ごはん・麺料理まで、日々の料理の土台を整えるための発酵ベースとして仕上げています。
いわば、麻の素は「麻の実を使った塩こうじ」ではなく、
麻の実で料理そのものを組み立て直すための、台所の基礎素材です。
塩こうじとの違い
一般的な塩こうじは、米麹と塩、水を合わせてつくられます。
米麹由来の甘みや香りがあり、肉や魚をやわらかくしたり、素材の味を引き出したりする調味料として広く使われています。
麻の素も、塩こうじのように使うことができます。
肉に揉み込む。
魚に塗る。
卵に混ぜる。
スープに溶かす。
野菜を和える。
ただし、麻の素にはそこに「麻の実」という素材が加わります。
麻の実ナッツには、やさしいコク、ナッツのような丸み、油脂によるなめらかな口当たりがあります。
そのため、麻の素を使うと、単に塩味や発酵感が加わるだけでなく、料理全体に厚みが出ます。
とくに分かりやすいのは、卵料理、鶏肉、豚肉、炒飯、スープ、麺料理です。
少量加えるだけで、味が平面的にならず、奥行きのある仕上がりになります。
「旨味を足す」より、「素材の味を立ち上げる」
麻の素を使っていて面白いのは、強い調味料のように主張しすぎないことです。
たとえば、鶏肉に麻の素を揉み込んで焼くと、麻の味が前面に出るというより、鶏肉そのものの味が濃く感じられます。
卵に混ぜると、塩だけで味付けしたときよりも、ふくらみのある味になります。
お湯に溶かすと、単なる塩湯ではなく、スープの土台のような丸みが出ます。
これは、麻の素が「味を上からかぶせる」のではなく、素材の水分、油分、たんぱく質、香りと一緒になって、料理の輪郭を整えてくれるからだと感じています。
もちろん、魔法の調味料ではありません。
入れれば何でも美味しくなる、というものでもありません。
けれど、塩の代わりに少し使う。
下味としてなじませる。
出汁の土台として溶かす。
油や酢と合わせて乳化させる。
そうした基本的な使い方をすると、いつもの料理が自然に一段上がります。
麻の実に含まれる旨味成分を、麹でほどく
麻の実は、植物性食品の中でもたんぱく質を多く含む素材です。
そして、そのたんぱく質を構成するアミノ酸の中には、旨味に関わる成分として知られる「グルタミン酸」も含まれています。
グルタミン酸を多く含む食品といえば「昆布」。麻の実は、実は、総アミノ酸組成としてみると、昆布の2~4倍にもなるグルタミン酸を有しています(昆布品種による)。
ただし、ここで大切なのは、麻の実にグルタミン酸が含まれているからといって、そのまま強い旨味として感じられるわけではない、ということです。それは、昆布も長時間水に浸す等をすることで旨味成分を引き出さないといけない、のと同じです。
素材の中にあるたんぱく質やアミノ酸は、料理の中ですぐに味として立ち上がるものばかりではありません。
そのままでは、麻の実のコクや香ばしさ、油脂のまろやかさの奥に、まだ眠っている部分があります。
しかも、麻の実は頑丈なたんぱく質構成をしており、水に浸すだけでは旨味を引き出せません。
そこで麻の素では、麹の力を借ります。
麹には、素材に含まれるたんぱく質をゆっくり分解し、ペプチドやアミノ酸へとほどいていく働きがあります。
麻の素では、麻の実ナッツと麹を合わせ、時間をかけてじっくりなじませることで、麻の実がもつコク、甘み、旨味の土台を引き出していきます。
つまり、麻の素は「旨味を外から足す」ための調味料ではありません。
麻の実そのものが持っているおいしさを、麹の働きによってゆっくり開いていく発酵ベースです。
この違いは、使ってみるとよく分かります。
強い旨味調味料のように、味が急に前へ出るわけではありません。
けれど、卵に混ぜると味がふくらみ、肉に揉み込むと素材の味が濃く感じられ、スープに溶かすと丸みのある出汁感が生まれます。
麻の実に含まれる旨味の種を、麹でほどき、料理の中で使いやすい形にする。
それが、麻の素の大きな特徴です。
【関連記事】
麻の素の基本的な使い方
麻の素は、まずは難しく考えず、塩こうじのように使っていただけます。
肉や魚に揉み込む
鶏肉、豚肉、白身魚、鮭などに、麻の素を薄くなじませてから焼きます。
目安は、素材100gに対して5〜8gほど。
10〜30分ほど置くだけでも、味がなじみます。
鶏もも肉、手羽先、豚こま、豚ロース、鶏むね肉などにおすすめです。
卵に混ぜる
卵1個に対して、麻の素3gほど。
水や牛乳を少し加えて10分ほど置いてから焼くと、ふんわりとした卵料理になります。
たまご焼き、スクランブルエッグ、オムレツ、ベーグルサンドの具材にも向いています。
お湯に溶かす
水またはお湯400mlに対して、麻の素8〜12gほど。
醤油や塩を少し足せば、簡単なスープや麺つゆの土台になります。
うどん、にゅうめん、雑炊、お粥、スープ、味噌汁の下支えにも使えます。
油や酢と合わせる
麻の素に油、酢、少しの甘みを合わせると、ドレッシングやディップになります。
麻の実ナッツや蒸し野菜と合わせると、より濃厚なペーストにもなります。
野菜スティック、焼き野菜、ベーグル、パン、サラダにおすすめです。
麻の素は、料理を難しくするためのものではありません
麻の実の料理というと、少し特別なものに聞こえるかもしれません。
健康食、自然食、専門的な食材。
そんな印象を持たれることもあります。
けれど、私たちが目指しているのは、もっと日常的な使い方です。
卵を焼く。
鶏肉を焼く。
炒飯をつくる。
スープをつくる。
お粥を炊く。
野菜を和える。
パンに塗る。
そんな普通の料理の中で、麻の実が自然に働くこと。
これが、麻の素のいちばん大切な役割です。
調味料をたくさん増やさなくても、料理は変えられます。
素材の扱い方を少し変えるだけで、いつもの料理はもっと美味しくなります。
麻の素は、そのための小さな入口です。
***
〖麻の素・活用レシピ〗
ここからは、麻の素を使った具体的な料理をご紹介します。
まずは、卵、鶏肉、パスタ、お粥、スープ、野菜、豚肉。
どれも特別な料理ではありませんが、麻の素を少し加えることで、素材の味がふくらみ、料理全体にやさしい厚みが生まれます。
分量はあくまで目安です。
麻の素の塩分やお好みに合わせて、少しずつ調整してください。
***
◎スクランブルエッグ
麻の素の良さが、いちばん分かりやすい卵料理です。
卵に麻の素を混ぜて少し置くだけで、塩だけでは出にくい丸みと、ふんわりした食感が出ます。
材料
卵 2個
麻の素 6gほど
水または牛乳 大さじ1
油またはバター 適量
作り方
卵を溶き、麻の素と水または牛乳を加えてよく混ぜます。
そのまま10分ほど置き、麻の素を卵になじませます。
フライパンを弱めの中火で温め、油またはバターを入れます。
卵液を流し入れ、ヘラで大きく混ぜながら、半熟気味に仕上げます。
火を入れすぎず、余熱でまとめるくらいがちょうどよいです。
ポイント
卵1個に対して、麻の素3gほどが目安です。
牛乳を加えるとやさしく、コクのある仕上がりに。
水で仕上げると、より軽く、卵の味が立ちます。
ベーグルサンドや朝食プレートにもおすすめです。
***
◎麻の素チキンソテー
鶏肉に麻の素を揉み込んで焼くだけの、シンプルな一品です。
麻の素が鶏肉の水分やたんぱく質になじみ、焼いたときに肉の味が濃く感じられます。
材料
鶏もも肉 1枚
麻の素 肉の重量の5〜8%ほど
油 少量
お好みで、にんにく、黒胡椒、醤油少々
作り方
鶏肉の余分な水分をふき取り、麻の素を全体に薄く揉み込みます。
10〜30分ほど置きます。時間があれば、一晩冷蔵庫でなじませてもよいです。
フライパンに油を少量入れ、皮目を下にして弱めの中火で焼きます。
皮が香ばしく焼けたら裏返し、ふたをして中まで火を通します。
仕上げに黒胡椒をふる、または醤油を少量たらして香りをつけてもよく合います。
ポイント
麻の素は焦げやすいので、強火で一気に焼くより、弱めの火でじっくり焼くのがおすすめです。
鶏もも肉だけでなく、手羽先、鶏むね肉、豚ロースにも応用できます。
***
◎ペペロンチーノ
麻の素をパスタに使うと、オイルソースに出汁のような厚みが加わります。
にんにく、オイル、麻の素だけでも、シンプルながら満足感のある一皿になります。
材料
パスタ 100g
にんにく 1片
オリーブオイル 大さじ1〜2
麻の素 8〜10gほど
唐辛子 少量
パスタのゆで汁 適量
お好みで、麻の実ナッツ、燻製麻ナッツ、黒胡椒
作り方
パスタをゆでます。
ゆで汁は後で使うので、少し取っておきます。
フライパンにオリーブオイル、薄切りにしたにんにく、唐辛子を入れ、弱火で香りを出します。
にんにくが色づき始めたら、麻の素とゆで汁を少量加えて、軽くなじませます。
ゆで上がったパスタを加え、全体をよく和えます。
水分が足りなければ、ゆで汁を少しずつ加えて調整します。
仕上げに麻の実ナッツや黒胡椒をふると、香りと食感が加わります。
ポイント
麻の素は、オイルとゆで汁の間をつなぐように働きます。
強い旨味調味料のように前へ出るのではなく、パスタ全体の輪郭を整えてくれます。
***
◎中華粥
麻の素をお粥に使うと、やさしい塩味と、発酵由来の丸みが加わります。
体にすっと入るような、朝食や夜食にも向く一品です。
材料
ごはん 150g
水 400〜500ml
麻の素 10〜12gほど
生姜 少量
鶏そぼろ、卵、青ねぎ、麻の実ナッツなど お好みで
作り方
鍋にごはん、水、麻の素、生姜を入れます。
弱火でゆっくり煮て、ごはんがほどけ、とろみが出るまで加熱します。
途中で水分が足りなくなったら、水を少し足します。
仕上げに溶き卵を回し入れたり、鶏そぼろや青ねぎをのせたりします。
最後に麻の実ナッツを少し散らすと、香ばしさとコクが加わります。
ポイント
麻の素は、お粥の「だし」のように使えます。
鶏肉や卵を加えると、より中華粥らしい仕上がりになります。
生米から炊く場合は、米0.5合に対して水600〜700ml、麻の素10〜15gほどを目安にしてください。
***
◎ヘンプミルク・ポタージュ
ヘンプミルクと麻の素を合わせると、乳製品をたくさん使わなくても、まろやかなポタージュになります。
野菜の甘みを、麻の素が下支えしてくれます。
材料
玉ねぎ 1/2個
じゃがいも、かぼちゃ、にんじん、カリフラワーなど 合わせて150〜200g
水 150ml
ヘンプミルク 200ml
麻の素 10〜15gほど
油またはバター 少量
お好みで、胡椒、麻の実ナッツ
作り方
鍋に油またはバターを入れ、薄切りにした玉ねぎを軽く炒めます。
野菜と水を加え、やわらかくなるまで煮ます。
野菜がやわらかくなったら、ヘンプミルクと麻の素を加え、ミキサーやブレンダーでなめらかにします。
鍋に戻して温め、味を見て、必要に応じて塩や水で調整します。
仕上げに胡椒や麻の実ナッツをのせます。
ポイント
麻の素を加えることで、野菜の甘みとヘンプミルクのコクがまとまりやすくなります。
かぼちゃ、にんじん、さつまいもなどの甘みのある野菜にもよく合います。
***
◎まろやか酢
ピクルス、焼き野菜マリネに
麻の素を酢と合わせると、酸味が角立ちにくく、まろやかな調味液になります。
そのままピクルス液にしてもよく、焼き野菜にからめてもよく合います。
材料
酢 100g
水 40〜50g
砂糖 25〜30g
麻の素 20gほど
お好みで、蒸し麻の実ナッツ 15〜20g
作り方
小鍋に酢、水、砂糖、麻の素を入れて軽く温め、砂糖を溶かします。
沸騰させすぎず、全体がなじんだら火を止めます。
ピクルスにする場合は、きゅうり、大根、にんじん、パプリカなどを食べやすく切り、調味液に漬けます。
焼き野菜マリネにする場合は、なす、ズッキーニ、パプリカ、きのこなどを焼いてから、温かいうちに調味液で和えます。
ポイント
蒸し麻の実ナッツを加えると、酢の酸味にコクが加わり、よりまろやかな仕上がりになります。
ピクルスはさっぱり、焼き野菜マリネはより料理らしい一品になります。
***
◎パンチェッタ
豚バラ肉に麻の素をなじませ、火入れしてから冷蔵庫で落ち着かせる、パンチェッタ風の仕込みです。
本格的な長期熟成ではなく、家庭でも扱いやすい「麻の素仕込みの豚バラ」として使えます。
材料
豚バラブロック 300g
麻の素 肉の重量の5〜8%ほど
お好みで、黒胡椒、にんにく、ローリエなど
作り方
豚バラ肉の表面の水分をふき取り、麻の素を全体にすり込みます。
黒胡椒やにんにくを加える場合は、この段階で一緒になじませます。
保存袋に入れて空気を抜き、冷蔵庫で一晩置きます。
翌日、袋ごと湯せん、または低温調理で中までしっかり火を入れます。
火が通ったら袋のまま冷まし、冷蔵庫で一晩休ませます。
冷えたら薄切りにし、フライパンで軽く焼いて使います。
パスタ、炒飯、スープ、サンド、焼き野菜のトッピングなどに使えます。
ポイント
麻の素で下味をつけることで、豚バラの脂の重さがやわらぎ、肉の旨味がまとまりやすくなります。
冷蔵庫で休ませると、肉汁が落ち着き、切りやすくなります。
燻製にすると、麻の素のコクと香りが重なり、ベーコンのような使い方もできます。